私はよく、「苦しい恋愛は、幼少期の親との関係が影響している」「自己否定をして自分を大切に扱わないと、他人からも大切にされない」など、無意識下の思い込み(ビリーフ)がどう現実に影響しているかをお話ししています。

勉強熱心で心に興味がある方は、よく読んでくださって「私の無意識下の思い込みを変えないと(癒さないと)幸せになれないんだ」と思われるようです。そしてカウンセリングを受けてくださる方もいらっしゃいます。

確かに、無意識下の思い込みを癒すことは大切です。でも、ここで注意していただきたいニュアンスがあります。

自分のことが愛せないまま、親に対してモヤモヤしたまま幸せになっていい

無意識下の思い込みを癒すということは、問題を「完璧に」解決してからでないと、幸せになれないということではないんです。

例えば・・・両親が不仲だったことや、親が情緒不安定・感情的だったことが原因で、「私は愛されない存在」「私が悪い子だからいけないんだ」「私は親を笑顔にできない存在」といった自己否定的な自己イメージを持っていたとします。

だからといって、それらの自己イメージを「完璧に」変えてからでないと幸せになれない、親との問題を「完璧に」解決してからでないと幸せになれない、「完璧に」自分を愛せるようにならないと幸せになれない・・・のではありません。

自分のことが愛せないままでいいんです。親に対してモヤモヤしたままでいいんです。少しづつ幸せになりながら、解決していけばいい。

短い人生、何かを「完璧に」解決している暇なんてないです。一刻も早く幸せになっていいんです。白黒はっきりつけなくていいんです。あいまいなままで、中途半端で大丈夫。

誰かと親密になるのが怖い、自分はああいう家庭に育ったから幸せになれないんじゃないか、私のことを愛してくれる人なんていないんじゃないか、そんな感情が出てきたら、それをそのまま受け止めてあげてください。そして、そんな中でもここまで生き抜いてきたことを認めてあげてください。「仕方ないよね。そんな私もいるよね」って。

そして、「それでも私は幸せを選択する。私の人生の主導権は自分にある」そう決めて、恐れを超えて、幸せになる方向へ選択を重ねていってください。

あなたは、何が幸せになるための選択なのかを既に知っています。

それでも、恐れず、新しい道を選択し続ける。

それだけです。

人生はあなたが決めたようにしかならない。選択したようにしかならない。だから、カウンセラーの仕事は、そのお手伝いをすることだと思っています。

もう一度言います。

問題解決をしてからでないと幸せになれないという思い込みを外してくださいね。無意識下にどんな思い込みがあるか気付いただけで、もう無意識の奴隷になることはありません。今までとは違う選択ができるはずです。

あなたが幸せになっていくと同時に、問題も少しずつ解決していく

これは、私が「幸せになれないのは癒し方が足りないからだ」「自分にまだ思い込みがあるからだ」と自分責めループにハマった過去から由来しています。特に子供カウンセラーをやっていたタイプだと、心の勉強をしたり、自分と向き合うことが得意だったりして、そのワナに陥りがちなんですよね(苦笑)

あなたが幸せになっていくと同時に、問題も少しずつ解決していくんです。

できるところから、手をつけていけばいい。

自分以外の人の課題は一旦横に置いておいて、あなたが幸せになる道を進んでいい。もちろん、優しいあなただから、時に手を貸したり悩んだりすることもあるでしょう。それでも、あなたはいつでも、あなたが幸せになる道を追求し続けてください。

あなたは幸せになるために生まれてきました。

幸せになる道の途中で訪れる恐れを越えた時、自分に生まれてよかったと思える未来が待っています。