私は小さい頃からの癖で、「人の心配をすること」がアイデンティティになってしまい、20代のころにはすっかり母親キャラが板についていました。

大丈夫?と顔色を伺って、あれこれ世話を焼く。もちろん、これは良い面もあるわけですから、全否定するものではありません。ただ、ネガティブに出てしまうと自分の幸せが置き去りになってしまうんですね。

自分の気持ちが分からなくなる

ひとつは、他人のことばかり優先して自分の感情を抑圧しているうちに、「自分の本当の気持ち」が分からなくなってしまいます。

一時は、食材を買いに行っても何を買っていいのか分からなくなったり、何がしたい?どこへ行きたい?何食べたい?という質問が拷問のように思える始末。自分がどうしたいのか分からない状態では、自分が主役の人生を歩みたくても、歩むことができません。

私が仕事で適職に悩みすぎてしまったのも、これが原因の一つのような気がしています。周りの期待に応えようと頑張るので、どんな仕事でも一定の成果を出して評価してもらえるのですが、自分の気持ちが置き去りなので、2年くらいすると、ふとどこかへ消えてしまいたくなるんですね。「もう期待には応えられない」そんな状態です。

他人との境界線が引けなくなる

また、他人の課題を自分の課題として取り込んでしまうため、人との間に健全な境界線が引けなくなり、共依存のような状態になってしまうこともあります。

ここで一番問題になるのが、相手の課題解決力を奪ってしまうということです。すると、一生共倒れ状態にもなりかねません。冷たいと思われるかもしれませんが、相手の課題は相手の課題として捉えた上で、どうサポートできるだろうか?を考えることが大事なのだと、今なら分かります。これはカウンセリングやコーチングの関わりでも大事な教えでした。

共依存は、母娘や恋人・夫婦で起こりやすいと思うのですが、それも、客観的でニュートラルな視点が抜け落ちやすいからなのかなと感じています。

コップを差し出す女の子

私は、恋愛でも「助けてあげたい」と「好き」の区別がよく分からない時期が長かったのですが、「助けてあげられる私=自分の存在価値」という潜在意識で近づいてくるわけですから、相手からしたら怖いだろうなあと思います(笑)

自分との信頼関係が、心の居場所になる

自分の幸せを最優先することが大事なのは、「自分のコップの水を自分で満たした状態で、他人に与えられる」自分になれるからなのだと思っています。自分の軸がない、コップがカラカラ状態で他人に与えようとしても、それは奪う愛になってしまうんですよね。

「自分で自分のことを幸せにしてあげられる」という感覚は、自分の中で大きな自信になりますし、そんな、「自分との信頼関係」ができると、心の安全基地・心の居場所になっていきます。

では、どうやって自分で自分を幸せにしていくのか?後から他にも出てきそうですが、思いつくポイントをあげてみました。

★「自分は幸せになるのにふさわしい存在だ」という自尊心を取り戻す。
★どんな感情も否定しないで感じてあげることで、自分の気持ちに正直になる練習をする。
★嫌なことはやめてみる。
★ブロックになっている未完了なことを完了させていく。
★自分を大切に扱わない人、不条理な苦しみからは離れてみる。
★自分で自分を幸せにすることを意識する際に、過度な自立に陥らない。
★人に助けを求めてみる。自分の弱い部分も否定しない。
★ニュートラルを心がける。良い面も、悪い面も両面あるのだということを意識し、過度な自己否定に陥らない。

いろいろ書きましたが、他人を気遣い、自分を抑圧してまで他人を優先できるということは、あなたが本来持っている才能でもあるんです。

それが、ちょっと違う方向に行ってしまっただけ。だから、そんな自分のことを嫌わずに、大切に抱きしめてあげてくださいね。

あなたが、まずは自分の幸せを最優先にして、自分を幸せにし、心の居場所をつくったら、そこでこそ、あなたが本来持つあたたかさや優しさ、あふれる愛情が、最大限に発揮されるのだと思います。

あなたが笑顔でいることが、みんなの幸せにつながっていくんですね。

心から、応援しています。