コミュニケーションを考える上で、大切なポイントだと思うことは「距離感」です。

親と子の距離感、夫婦やパートナーとの距離感、職場の人間関係での距離感、友達との距離感・・・。

あらゆる人間関係で、ポイントになるのではないかなと思います。




ここでは、母娘問題や親子問題で例をあげてみましょう。

「距離感がなくてくっつきすぎている」ことで問題が生じているケースは多いように思います。(共依存とも近いです。)

親のことが嫌いで好き・・・そんな複雑な感情に身に覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。

・私が助けてあげないと
・私がやってあげないと
・期待に応えなければ
・いい子でいなければ
・顔色を伺ってしまう

親に対して、そんなふうに思うことはありますか?
また、

・過度に期待してしまう
・期待を裏切られると失望してしまう
・承認を求めてしまう

といったことも、「距離感」と関係しているかもしれません。

これは、「私と相手とは、違う人間だ」という意識が薄いのですね。

そうなってしまう理由としては、親が問題を抱えていた・親が子どもを一個人として扱うのではなく、同一化して接してしまっていた、などの理由が挙げられるかもしれません。


たとえ親子であっても、価値観の違う一個人同士です。

でも、その意識がなく、同一のように感じてしまったり、距離がくっつきすぎていると、いろいろな問題が起こりがちになるのだと思います。

親の問題を、大人になってからもずっと引き受けていて、お悩みになっている方もいらっしゃいます。

これも「距離感」のお話です。

ここで大切になってくるのが、「課題の線引き」ですね。相手の課題と、自分の課題を分ける、ということです。



スパッと割り切れないお気持ちもあるでしょう。また、心のどこかで、課題を引き受けることで承認してほしい気持ちがあるのかもしれません。(昔、自分への承認が不十分だったと感じているが故なのですが)




小さい頃、どんな親だったとしても、子どもは無条件で親のことを愛しているんですよね。たとえ傷ついたとしても、そこに愛があったはずです。


愛しているからこそ、傷つく。そして大嫌いになる。


大嫌い。だけど大好き。そんな複雑な心理はここから生まれます。


愛をもらって安心できる基盤を築き、自立していくのではなく、いつまでも満たされない愛を求めているから、大人になっても親との距離が近くなり、カラッとした関係ではなく、愛憎渦巻くベッタリとした関係になる・・・そんな感じです。


これは、物理的な距離(会う・話す頻度など)がベッタリなケースはもちろんですが、物理的な距離は遠くても、心理的にくっついているケースもあるように思います。


これは、元も子もないですが、仕方ありません。
世代間連鎖をしている可能性もありますし、誰が悪いといった問題ではないんですね。


ただ、このブログを読んでくださったあなたには、その連鎖を断ち切る力があるのだということ。たくさんの愛がおありの方なんだということ。
それは、心に留めておいていただけたら嬉しく思います。


あなたの葛藤や、親の課題を引き受けていること・・・それは、あなたの愛情深さゆえかもしれません。



あなたの愛を、「相手には、自分の課題を自分で解決できる力がある」という信頼に変えてみませんか。

そして、「自分にも、課題を解決できる力がある」と信頼してあげてみませんか。



具体的な方法としては、以下のようなものがあげられます。


・期待に応えない練習をする
・自分も期待しない
・課題の線引きを行う
・過去の気持ちをよく理解し棚卸する
・関係性を客観視する
・新たな自分の人生構築に力を注ぐ
・自分を満たす努力をする


こうやって箇条書きにするのは簡単ですよね。

いざ、やる!となると、時間もかかるし、ストレッチのように毎日少しづつ習慣化することで、だんだんと効果が現れてくるものでもあります。


ですが、3歩進んで2歩下がったとしても、1歩進んでいます。
もし、時に3歩進んで5歩下がることがあったとしても、また1歩ずつ進めばいいんです。


大丈夫です。「気づいている」だけで、天と地との差があります。



カウンセリング・コーチングでもお手伝いさせてくださいね。

貴重なあなたの人生の時間を、少しでも心穏やかにあなたらしく過ごせますように。